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『サガ3 Sol』開発者スペシャルインタビュー

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第4回 笹井 隆司氏

プロフィール:三谷健司
株式会社ラクジン CT事業部長。
プログラマーとして長年ゲーム制作に携わり、現在はラクジンが制作するタイトルのほとんどに関わっている。
『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』の開発に続き、『サガ3 Sol』ではシナリオディレクション、イベント演出担当、他を担当した。

三浦宏之(以下、三浦):
『サガ2 GOD』から引き続きの『サガ3 Sol』の開発、本当にお疲れ様でした。
今回はインタビューということで、プロデューサーではありますが、ユーザーの視点を意識して開発中のさまざまな話や、三谷さん自身のことまで、いろいろとお聞きできればと思っていますのでよろしくお願いします。

まず最初は、三谷さんご自身に関することからお聞きしていきたいと思います。

では、三谷さんが、ゲーム開発に携わるようになったきっかけを教えてください。

三谷健司氏(以下、三谷):
元々プログラムが少しできたので、それを仕事にしたいとは思っていたんですよ。
それで、就職をする時期にプログラム関係の会社を何社か受けてみたんですけど、まだまだIT業界というのは小さくて。
その時はゲーム業界がおそらく自分の技術を生かすのに良いかなと思ったので、ラクジンに採用してもらって今日に至るという感じですね。

ゲーム自体も、当然好きでした。
「ドラクエ」「FF」、もちろん「サガ」もずっと遊んでましたし、これを仕事にできたらなと半分夢物語で思っていました。
今、現実として叶っているので、良かったなぁとは思っていますね。

三浦:
ということは、プログラムに興味があったので、ゲームのほうにも興味が出てきたということ感じでしょうか?

三谷:
プログラムに関しては、学生の頃からやっていたので、一応ある程度はできたんですよ。
ラクジンに入社する際も試験があったんですが、その点は評価していただいたみたいで、入社してすぐに現場の仕事という感じでしたね。

三浦:
三谷さんは、ラクジン内でどういう役割をなさっているんですか?

三谷:
肩書きとしては事業部長なんですけど、今現在の役割で言うとコンシューマーゲームの事業統括ですね。
具体的に言うと、ラクジンという会社は年間5本位のタイトルが動いているんですが、その各プロジェクトの情報を聞いて「どう? 大丈夫?」みたいなことを言う役割ですね(笑)。
ただ、今回の『サガ3 Sol』のように開発者として関わることもあります。

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三浦:
ラクジンに入社されて、色々なゲームに携わってこられたかと思うんですが、ご自身のならではこだわりがあればお聞かせください。

三谷:
ラクジンという会社は、メーカーさんからお仕事をいただく受託開発が基本なので、自分の色を出せる出せないというのは時と場合があるんですが、いずれも心がけていることは関わったもの全部を“愛する”ことです。
お話をいただいた段階では、自分の中でうまく理解ができないタイトルもありますので、とにかく“愛”だけは忘れないようにしようと(笑)。

昔はなかなかユーザーさんの生の声が聞き取りにくいところがあったので、まずは自分がそのタイトルを好きにならないと、お客さんとの意識がずれてきてしまうだろうなと思っていたんですね。
今でこそ、インターネットからユーザーさんの声は届きやすくなっていますが、その姿勢は忘れないようにしています。

三浦:
タイトルへの“愛”ですが、自分でその“愛”を感じる瞬間ってあったりしますか?

三谷:
例えば、タイトルの続編を作るときなど、名前は知っているけどプレイはしたことがない場合に、どういうところをお客さんが楽しんでいるかとか、そのタイトルの魅力がわからないわけですよね。
しばらく遊んでからやっと、こんなところをお客さんは楽しんでいるんだと自分の中で腑に落ちた時、「あぁ、このタイトルと一体化したなぁ」みたいな瞬間でしょうか。

三浦:
三谷さんはGB版の『サ・ガ3』は過去に十分プレイされていたと思うのですが、『サガ3 Sol』でも同様のことがあったりしましたか?

三谷:
当初、私の担当部門はシナリオだったんですが、オリジナルをプレイした時に、すごく矛盾しているなと感じたんです。
今の時代に発売されることを考えると、さすがにこのままだと出せないなと思っていたんですが、何度か繰り返しやっていくと、あぁこういうことがしたかったんだなというのがわかってきたんです。
メッセージの切れ端のようなものが残っていて、最終的に実装には至らなかったけれど、元々これはこういう意図があったんだなと。
『サガ3 Sol』に関してはそう思うことが結構多くてですね、なるべくその辺を押さえるようにしていきましたね。

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三浦:
過去にどういうタイトルを作って来られましたか? 三谷さんが思う代表作だとか、思い出深いタイトルがあれば教えてください。

三谷:
過去というとたくさんありますが、個人的な代表作というならば、一番知名度のある『サガ2 GOD』と『サガ3 Sol』になると思います。
ただ、思い出深いということになると、会社に入って一番最初にやったシューティングゲームの『R-TYPES(※)』ですね。
アーケード版は自分が中学生の時にリアルタイムでゲームセンターで遊んだ、ものすごく面白いタイトルだったので、入社して「これからこのタイトルをやってもらう」と画面を見せられた時には、「これは移植版ですか!?」と(笑)。
開発期間は結構短かったですが、移植の出来というか、クオリティとかは結構評価をされたようです。
わりと売れたみたいですし、初めてのタイトルというのもあって、思い出深いですね。

※横スクロール型のシューティングゲーム。1987年に発売されたアイレム株式会社制作のアーケードゲーム『R-TYPE』のプレイステーション移植版。

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三浦:
『サガ2 GOD』から『サガ3 Sol』へ、継続してやっていこうというのがあって開発がスタートしたわけなんですけども、続けてやっていくということで『サガ2 GOD』で培った経験とかが生かされている部分はありましたか? どういうところが役立ったかというのをお聞きしたいです。

三谷:
生かしたところというと、やっぱり「サガ」というタイトルに関する知識でしょうね。
企画は、『サガ2 GOD』から『サガ3 Sol』にそのまま引き継ぎました。
ほとんどのスタッフは元々「サガ」というタイトルは知っていたんですが、そうではないスタッフも中にはいたので、このタイトルが一体どういう想いでお客さんに受け止められているのかということは『サガ2 GOD』からの経験がだいぶ生きたとは思います。
開発の面と言えば、システムとかはすごく根底の部分ですが残していくようにしていますので、その辺はずっと継承して良いかたちにできたと思っています。

三浦:
ラクジンさんにとって、コマンド入力型のRPGの開発は初めてだったんですよね?

三谷:
実は、そうですね。完全に“初”です。
似たようなタイトルがあると言えばあるかもしれないですが、システム的にコマンドRPGをやらせていただくのは初めてでした。

三浦:
どういう苦労がありましたか?

三谷:
いやー、見えないものが非常に多いですね(笑)。RPGっていうのは。
アクションやシューティングだと、全体像は一人の人間が把握できるレベルであると思うんです。最近の大型タイトルはそうでもないとは思いますが。
RPGというのは、ひとつひとつの要素が細かく絡み合っているので、全体を把握しないと、見た目からして漏れているものがいっぱい出て、それがとても大変でしたね。
「あれ!? これまだできてなかったっけ?」みたいな。『サガ2 GOD』の開発中は特に多かったですね。
結果的に対応できたので良かったとは思うんですが、反省する部分はありましたね。

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三浦:
三谷さんは、今回の『サガ3 Sol』ではガッツリとシナリオで入られているんですが、大きくアレンジされている部分など、こだわった点などありましたか?

三谷:
オリジナルの『サ・ガ3』っていうのは昔のゲームなので、説明しきれていない部分というのが大量にあったと思うんですね。
当初、それを解消するのを目標としていたんです。

ただ、よくよく見てみると、オリジナルには魅力的な設定がいっぱいあって。
時間移動は新しいネタではないですが、一定の魅力はすでにありますので、そこの魅力を引き出す形でオリジナルらしさを残しつつ、一連の補完を行うというのを目標にしました。
補完したのは、特にボラージュさんのあたりですね。
あの人が、オリジナルでは謎のままだったんですが、それをちゃんと説明してストーリーラインを仕上げようと、特にそのあたりを意識しました。
彼の設定だけずっと考えて、それだけで一カ月くらいかかりましたけど(笑)。

三浦:
ボラージュに関しては、ユーザーからすると当時とかなり変わった印象を持たれることになりましたが、当時のシナリオとしても、実は今回のリメイク版に近いようなことをしようとしていたんですよね?

三谷:
えぇ、そうですね。これは結果論かもしれませんが、設定を書いて内容を決めて、さぁライティングに入ろうかという時に、「あ、このセリフあったんだ!」とそれまで気付かなかったことが結構ありました。
昔の容量なんかの関係で出来なかっただけで、恐らく同じようなことをやろうとされていたと思うんですよ。
よって、ボラージュさんにスポットをあてて、周りを構築していくように意識しました。
まぁ、古いタイトルなので完全に対応できているのかは判断しにくいですが、意図的には結果同じところに到達しているのかなと。

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